【第12試合】スポーツは子どもの“学力”と“人間力”にどう効くのか?――科学的に読み解く育ちの話
「スポーツをやってる子は、勉強もできるってホント?」
子育て中のパパママなら、一度は聞いたことがあるこの話。
感覚的には「たしかにそんな気がする」けど、
本当にそうなのか? どうしてそうなるのか?
今回は、科学的な研究+著名人の実例をもとに、深掘りしていきます。
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◆ エビデンス①:運動と脳の発達
ハーバード大学の神経科学研究チーム(John J. Rateyら)によると、
運動はBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促し、記憶力や思考力を高めるとされています。
BDNFは「脳の肥料」とも呼ばれ、
シナプスの可塑性(学習能力の基盤)を高める働きがある。
つまり、運動は単なる体力アップじゃなくて、
“学びやすい脳”をつくるための条件でもあるということ。
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◆ エビデンス②:日本国内の調査
文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(2015年)では、
運動習慣がある児童・生徒ほど、学力テストの正答率が高い傾向が示された。
また、慶應義塾大学の研究(阿部宏史ら、2021)では、
スポーツ活動の経験がある子は、**非認知能力(Grit、自己統制、協調性など)**が高いと報告。
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◆ 非認知能力ってなんだ?
非認知能力とは、以下のようなテストの点数に現れない能力のこと:
自制心
粘り強さ(Grit)
目標へのコミットメント
集中力
他者との協働スキル
これらは人生の成功や幸福感と強く関係するとされ、
スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授や、ノーベル経済学賞受賞のジェームズ・ヘックマンも強調している重要スキル。
スポーツは、これらの力を自然な形で体得できる場だと言われています。
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◆ 有名人に見る“スポーツ×学力”の実例
● イチロー
子どもの頃から野球漬けの日々を送りながらも、ノートに毎日の反省を書き綴る自己省察力の高さが有名。
また、試合後のコメント力、話の構成力はプロ顔負け。これは言語化スキル=思考力の表れ。
● 大谷翔平
花巻東高校時代から「目標達成シート」で自己管理能力と長期視点での行動計画を実践。
成績もトップクラスで、まさに文武両道のモデルケース。
● 本田圭佑
元日本代表の本田圭佑も、リーダーシップや目標意識、自己肯定感の育成が成績と連動していると語る。
指導者として「教育×スポーツ」の可能性に注目し、自ら小学生向けのサッカースクールを展開。

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◆ 習い事と部活動の役割は違う
習い事 部活動
指導の個別性 高い 低め
自由度・柔軟性 高い 低い
責任感・集団意識 やや弱め 強い
継続性 安定しやすい 精神的に浮き沈みが出やすい
コーチの質 ピンキリ 学校の先生の経験に依存
どちらが優れているか、ではなく、
子どもの個性と家庭の目標に合っているかどうかが重要。
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◆ 我が家のスタンス
じろう(小2)はフットサル、
いちこ(小3)はバスケ。
ふたりとも、体操と水泳も習っている。
週に4つも運動系の習い事…って聞くと、
「やりすぎじゃない?」という声もあるけれど、
本人たちが「楽しい!」と思っていて、
実際に集中力・生活リズム・学習への前向きさにもつながってるから、今のところは続行中。
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◆ 親の立場からできること
勝ち負けに過剰に反応しない
体調と感情の変化に気づいてあげる
スポーツを「結果」でなく「過程」で褒める
“なんのためにやってるか”を親がちゃんと理解する
スポーツは道具。
子どもが人間的に育つための、最高に効果的で楽しい道具。
それをどう活かすかは、やっぱり親のスタンスにかかってる。
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今日の結論(というより、問い)
> 「スポーツをやると勉強にいいですか?」
という問いには、
「“正しくやれば”めちゃくちゃ効果あります」と答えたい。